Interview – Blue Bendy

今年最注目アクトの一つ、ロンドンはレイト90s〜クラウトロックまでの音楽を美しく飲み込んだモダンインディーロックを奏でる6人組Blue Bendy。両A面シングル「Glosso Babel / International」のリリースを前に、彼ら視点の「音楽の役割」と「日本のイメージ」とは。

(※今回のインビューではギターのJoe Nash(JN)とボーカルのArthur Nolan(AN)に回答していただきました。)

–バンドが始まった経緯について教えてください。

JN: バンドは僕とArthurが北イングランドにある小さな町のスカンソープからロンドンに移住したタイミングが近かったことがきっかけだったね。彼がいくつかのデモと曲のアイデアを持っていたからそれを元にニュークロスの小さなアパートでジャムセッションし始めたんだ。僕と一緒に住んでいたSamはベースを弾いていたから自然な流れでベーシストに。その後の数ヶ月の間で他のメンバーが加入。2018年の半ば頃にOliviaがシンセで入ったね。おそらくこの時期がいわゆる「バンドのスタート期」であり、今の音楽的方向で音楽を作り始めた時期でもあると思うね。

–これまでにリリースした楽曲からはレイト90sからクラウトロックの影響を感じます。音楽制作にあたって最も大きな影響源は何ですか?

JN: だいぶいい線言い当てているね!確かにCANとかNEU!(ノイ)の音楽的要素はあると思う。彼らは僕らが大好きなStereolabやBroadcastへにも大きな影響を与えているからね。スタジオでの制作時にはよくMercury RevとかFlaming Lipsを聴くね。加えて僕らはAphex TwinやAutechre等のエレクトロニックミュージックも大好きだね。

–近年のインディーシーンを盛り上げているSquidやPorridge Radio、Tiñaらと対バンした時はどんな感じでしたか?

AN: 僕らが最初の頃にやったライブの一つにナンヘッドのビアフェスがあるんだけど、そこでピンクのカウボーイバンドTiñaと共演したね。彼らはその当時からデビューアルバムの曲、雰囲気のものを演奏していたね。スパイダーマンのフェイスペイントをして叫びまくる子どもたちを前にして演奏していたよ。観客は温かいけどどこかイカれた感じがあって、僕らが演奏した中で最も好きなライブであると同時くらいに最悪なライブでもあったね。

–両A面シングル「Glosso Babel / International」のレコーディングについて少し聞かせてください。

AN: 今回の2曲は初めて自分たち自身でレコーディング・ミキシングをしなかったんだ。これの前は僕らは完全にDIYだった。とてもエキサイティングではあったけども実際はかなり退屈であったね。それでも自分たちの経験にとってはとても有意義なものだったと思うな。

JN: また、ライブではテープに合わせて録音しているんだけど、テープが3分で切れてしまうから休む暇はなくて、もう1テイクやれと怒鳴られることもあったね。ある意味でワクワクすることもあるんだけどね。

–ロックダウンはバンドの活動に何か影響を及ぼしましたか?

JN: 残念なことに、間違いなくライブの機会は失われてしまったね。けれどいい面もあって、僕らがスタジオに籠る時間や作曲活動、レコーディング、制作に当てる機会を増やしてくれたと思うよ。

–現在のコロナ状況を踏まえて、音楽と今現在も活動しているバンドの役割についてどう考えているか教えてください。

JN: 多くの人にとって、音楽は生活の大事な部分を占めるものだと思う。僕も毎日欠かさず音楽を聴いているしね。特に世界中でロックダウンが起こり、ほとんどの人がパソコンに張り付いている中で、音楽にアクセスしたり、好きなアーティストをフォローしたりすることは、世界とのつながりを感じられるいい方法だと思うな。

–このサイトが日本のものであることにちなんで、君たちの日本に対するイメージを教えてください。何か興味のあることや好きなものはありますか?

JN: 音楽や芸術から、地球のおおよそ反対側にいるバンドまでに対するリスペクトと強い支持があることに気づいたよ。イギリスに次いで、僕らの両A面シングルのほとんどは日本に行ったね。僕らが交流した人たちもいつもとてもフレンドリーだったね。

僕が好きな日本の映画や本もあるよ。そう遠くない昔に映画館で「AKIRA」を観たね。ちょうどこの前村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読み終えたところだね。最近は昔のJ-Jazzにもハマっているね。稲垣次郎と鈴木弘がとても好きだな。最近の日本のバンドについてはあまり知らないからオススメとかしてくれたら嬉しいね。

–今年の予定についてわかることがあれば教えてください。加えて日本の方にメッセージも!

JN: 現在はできる限り沢山レコーディングをしているね。今の時点ではすぐに発表できるものは無いけれど、あえて言うなら何か長期的なものには取り組んでいるよ。コロナの状況が改善次第沢山ライブもしたいね。日本でももちろん演奏したいから、近い将来会えるといいね!


■ Release Information

ARTIST:Blue Bendy

TITLE:『Glosso Babel / International』

RELEASE DATE:2021. 1. 21

LABEL:Simonie Records


Biography

Blue Bendy

サウス・ロンドン拠点のインディーロックバンド。クラウトロックに影響を受けたレイト90sオルタナティブロックにインフルエンスされたサウンドを展開する。新人ながらインディーメディア大手のLOUD AND QUIETマガジンの145号では3ページに渡るインタビューでもフィーチャーされた。Stereolabなどのチェンバーポップ的なエッセンスを盛り込んだスタイリッシュな楽曲がシーンの他のバンドと一線を画す。