Interview – Communions

デンマーク、コペンハーゲン を牽引するバンド、Communions。待望の2ndフル『Pure Fabrication』で表現したこと。音楽的影響、メンバー編成、そしてパンデミックに至るまで、彼らの内なる部分に迫る。

ーパンク精神は確実に自分たちの音楽に浸透しているんだー

– バンドがどのように始まったかを教えてください。

Martin: Communionsは2014年にMadsと僕が FrederikとJacob(過去のメンバー)と一緒に僕が書いた何曲かをリハーサルすることから始まった。これらの曲がCommunionsのデビュー EP、CobblestonesにつながりPosh Isolationでリリースされた後すぐにバンドとしての地位を確立したんだ。

– あなた達兄弟(Mads and Martin)はデンマークで生まれ、少年時代を独自の音楽文化を持つシアトルで過ごしました。このシアトルという街はあなた達の音楽に何か影響を与えましたか?

Martin: 直接的に意識したりすることはないけど、無意識に影響はされていると思う。シアトルに住んでいた時、何人かの友人がたくさんのパンクミュージックを僕に紹介してくれて、それがアンダーグラウンドミュージックへの入り口となったんだ。だからこの経験は僕の音楽的な生い立ちの面からして確実に重要なものになったよ。その後、パンクミュージックは様々な自分たちの楽曲に分岐したけど、パンク精神は確実に自分たちの音楽に浸透しているんだ。Madsと僕が常にファンだったNirvanaみたいなジャイアントだってそこにはいるんだ。

– いくつかのメディアはCommunionsをThe StrokesやThe Stone Rosesのようなサウンドだと表しますが、この評価についてどう思いますか?

Martin: それは公正な評価だと思うよ。Communionsを始める時、僕たちは多くのポストパンクやブリットポップ、2000年代のインディーロックに影響を受けたんだ。そしてThe StrokesとThe Stone Rosesは自分たちの多くのインスピレーションの源となった。だけどミュージシャンとして僕らは常に進化し続けているんだ。だからそれらは成熟の過程の一部でしかなくて、僕らがより良く、より内省的なミュージシャンになるにつれて、徐々に自分のサウンドを見つけるようになった。

– どのような音楽、アーティストに影響を受けてきましたか?また最近のお気に入りのアーティストがいたら教えてください。

Martin: 僕らはいろんな音楽を聴き続けていているよ。長いリストを作ることもできるけど、最近はRadiohead、Björk、Portishead、新しいものだとFrank Ocean, Yves Tumorなどをほんの数名をあげるとしたら聴いているんだ。

ー私たちが自分の運命を創るまたは製造するという事実、
そして私たちの運命が他の人に製造されるという事実ー

– あなた達は“Pure Fabrication”からすでに素晴らしい曲をいくつかリリースし、多くの人々がアルバムのリリースを楽しみにしています。今回のアルバムではどんな特徴があり、制作の際にどのようなことを意識しましたか?

Martin: Communionsの音楽のさまざまな側面をまとめた、魂のこもった多面的なロックアルバムだと思う。爆発的なエネルギーに満ちた曲と、より遅く、より内省的な曲があったりもする。メロディックで大きな声を持つ空気のような軽さ、大きくてザラザラした金属がぶつかり合うような音とノイズを組み合わせたようなものを意識したんだ。

– Communionsのアルバムのアートワークは常に壮大であり素晴らしいと思います。今回のアルバムのアートワークのコンセプト、舞台裏やストーリーを教えてください。

Martin: アルバムのアートワークは、ここコペンハーゲンの美術学校に通う僕のガールフレンド、Hannah Amalie Nielsenが創った彫刻を特徴としているんだ。その彫刻は人類の運命を織り成すノルンの北欧神話に触発されている。”Pure Fabrication”というアルバムのタイトルは、アルバムにある彫刻の「指」を貫く「布」を暗示しているため、この神話とも結び付けられているんだ。レコードの曲の多くは運命をテーマに、自分を支配する世界の力を理解しようとしているものなんだ。”Pure Fabrication”は、私たちが自分の運命を創るまたは製造するという事実、そして私たちの運命が他の人により製造されるという事実の両方をほのめかすものにもなる。これらのタイトルとアートワークが少なくとも部分的にも意味するものなんだ。

– 最近、バンドメンバーが変更し現在は2人(Mads and Martin)となっています。このことはあなた達の音楽に何か影響を及ぼしましたか?

Martin: 影響はあるよ。けど、”Pure Fabrication”の全ての曲はバンドの昔のメンバー、FrederikとJacobと一緒にレコーディングしたんだ。最近、マッドと僕で新しいメンバーを参加させたけど(現在5人がライブでプレイ)、この新しいラインナップではまだ何もレコーディングしてないんだ。

– パンデミックはバンドの活動にどのような影響を与えましたか?

Martin: 具体的に言うと、多くの自分たちのライブがパンデミックによって妨害させられたよ。自分たちの計画ではこの春にアルバムのリリースに関連して、ここでたくさん演奏するはずだった。けどライブができるようになるまで夏の終わりから秋頃まで待つ必要があるね。

– デンマークには素晴らしいバンドが多く存在します。このような面白いシーンを作成する上での主な影響は何でしょうか?

Martin: 正直にいってわからない。シーンの渦中にいるものとして答えるは難しいし、他の国と比較して良いバンドが多くあるべきという理由もはわからないんだ。

– あなた達の今年のプラン、これから先の目標があれば教えてください。

Martin: 夏と秋にショーを行う予定なんだ。 しかし残念なことに、パンデミックのためにいつ国際的にプレーできるかはまだはっきりしていなくて、ここデンマークでしか開催できない。 うまく物事が進めば、例えば僕らが日本に来ることだってできるよ! さらなる目標に関しては、ただもっと音楽を書くということだね。

– 日本でCommunionsのアルバムを待っている多くの人へメッセージをお願いします。

Martin: 日本でCommunionsの音楽を聴いてくれている人がいるというのは、 本当に信じられないよ。僕たちの音楽がこれほどまでの範囲に届いて知ってもらえるというのは本当に幸せなことなんだ。そしてもう一つ言いたいのは、僕たちはまた日本に行ってみんなの前でライブするのを本当に願っているよ。日本で最後に演奏したコンサートの思い出は、今までのライブで最も大切な思い出の一つなんだ。


■ Release Information

Commuions – Pure Fabrication

Release:2021. 4. 23

Label:TAMBOURHINOCEROS


Biography

Communions

デンマーク、コペンハーゲンのMartin、Mads Rehof兄弟によるインディーロックバンド。同郷のIceageやLust For Youthが登場したタイミングと同時期にここ日本でも話題となり、デビューアルバムはかつてYuckやThe Black Keysが所属した、インディー名門Fat Possumからリリース。2021年、4年ぶりとなるフルアルバム「Pure Fabrication」をリリース。北欧パンク特有の冷たさと美学を兼ね備えた壮大なサウンドがリスナーの琴線に触れる。