BEST ALBUMS OF 2021

今年も激動の一年となりました。そんな中でもインディー音楽のシーンではエキサイティングな新人が次々と登場。これまでに素晴らしい作品を生み出してきたアーティストたちも、音楽性をさらにブラッシュアップさせていました。「ポストジャンル時代」を体現するアーティストや、トラッドなスタイルで表現するアーティストなど、非常にバラエティに富んだ今年の音楽シーンの中から、総括として、我々の独断と偏見に基づいてセレクトした年間ベスト50作品をご紹介します。順位はありません。というか、順位など付けられません。ぜひこちらのリストを読んでいただき、2021年の音楽を振り返っていただければ幸いです。早速ですが参ります。


Black Country, New Road – For the first time

サウスロンドンの7人組バンド、Black Country, New Road。群雄割拠かつ素晴らしいバンドが数多く集まるサウスロンドンのライブハウス、Windmillの中でも異質であった彼らだが、今世紀最高レベルの傑作「For The First Time」を名門Ninja Tuneからリリース。ポストハードコア、ポストパンク、ポストロック(彼らは歌詞の中で自分たちはポストロックのパイオニアバンド、Slintの世界で2番目のトリビュートバンドだと皮肉っぽく言及)など様々なレファレンスを持ち、それらを昇華させたサウンドは、彼らにしか生み出せない一級品。今年一番期待していただけに、リリースされた日のことを昨日のことのように覚えている。日付が変わり、リリースされると同時に「Instrumental」を再生した自分を待ち受けていたのは、これまでの人生で最高とも言うべき至福の40分であった。このアルバムを聴くために生まれてきたのだと思った。難解で狂気を感じる「Science Fair」や、本能的な部分を刺激する高揚感がある「Sunglasses」。高まった熱を冷ます、知的で落ち着きはらった「Track X」。まだ聴いていない人は絶対聴くべきだし、聴いた人はあと1000回聴くべし。マスターピース。(藤田)


N0V3L – Non Fiction

カナダ・バンクーバーを拠点に活動するN0V3Lは兄弟の2人、ジョン・ヴァーレイとノア・ヴァーレイ、そしてブライス・クロゲシーによるポストパンクバンドで、Crack Cloudのメンバーとしても活動している。奇妙、不穏でスタイリッシュ、それでいてまとまりを感じるN0V3Lの『Non Fiction』は資本主義、新自由主義が生み出した分断や、リアルに向き合うには残酷すぎる問題だらけの中で、作品のトーンがその空気感を表現するのに適切であると感じさせる。90年代中期から後半にかけて、止まることを知らない「発展」により多くのものが同時に失われ、Blurがポップな皮肉で批判したり、Radio Headが「Fake Plastic Trees」を持って深刻に訴えたりなどした。しかし、どこか楽観的な皮肉や未来に対する予測出来ない不安や問いではおよそ四半世紀が経過した今、少なくとも2001年生まれの自分には響かない。もちろんそれらはきっと時代に適したトーンではあったのだろうが、実際に彼らが危惧した未来である今現在、さらにインターネットが普及し複雑化したことでも生まれたカオスな現代にN0V3L『Non Fiction』はイラつき、不気味な攻撃性を孕んだカオスを持って社会を表した現代の鏡ともなる作品である。(松広)


Good Morning – Barnyard

「こういうアルバムってやっぱり良いよね」と友達に話したくなる感じ。これまでの彼らの音楽を聴いてきた人からすれば、期待していた路線とはかなり違うかもしれないが、個人的には今作は彼らのベスト作品だと思う。チルホップを始めとした、いわゆる「ローファイ」な音楽が台頭する昨今の音楽シーンの流れに一方では乗っかり、他方ではカウンターする。どこかアイロニーを感じるところや、どっちつかずな感じなところは極めて「彼ららしい」。最近だと技巧的だったり叙情的な音楽が目立つ傾向にあり(優れたテクニックをもつバンドやリリックセンスに富んだSSWなど)、それらももちろん素晴らしいんだが、時にはこのアルバムのような「程よいゆるさ」を持った作品も必要で。「程よい」というのが大きなポイントで、この作品が決して「ゆるい」訳ではない。Rolling Stoneのレビューにもあったように、アルバムの方向性を決定づける「Country」の見解深さや楽観性と悲観性を巧妙に行き来する展開など、一見フワッとしたサウンドも実は緻密に計算されているのが素晴らしい。それ故に聴き飽きることはないし、スゥーっと馴染む。優しくて実は深い。(梶原)


shame – Drunk Tank Pink

現在のサウスロンドンを語る上で最も重要なポストパンクバンド shame。若く情熱と才能に溢れ、そして最もクールなカリスマ。伝説となったデビューアルバム『Songs of Praise』、そして今年にリリースした3年ぶりのアルバム『Drunk Tank Pink』を聴くとこれらの言葉は大袈裟に感じる人はいないだろう。1stアルバムでは全体的にshameのエネルギーや感性がストレートに抽出されたユースフルな傑作なのに対して、アークティックモンキーズなどにも携わるプロデューサー、ジェイムス・フォードが加わった今作はより「極めた」作品であり鋭さ、緊張感、緩急、爆発は更なる強度を持って存分に披露された。そしてshameはこれら4つ局面をダイナミックなギターリフや変調、不自然なテンポの変化によって巧妙に表現した。同じく今年にリリースしたblack midiにも同じことが言えるかもしれないが、shameはより自然な形で熱と感情を表すためにこれらが使われている印象も受ける。それはアルバムの中心曲でありチャーリースティーンが自分たちの中で最高な曲と称した「SnowDay」で顕著に表れ、この曲から今のshameがどのようなバンドに進化したかがわかるだろう。(松広)


Shelter Boy – Failure Familiar

ベッドルームポップを鳴らし、ドイツのMac DeMarcoと呼ぶ声も聞こえた初期から彼は進化してShelter Boyとしてのデビューアルバム『Failure Familiar』を生み出した。サーフロックやローファイポップが基軸となり活動をスタートさせた彼の面影はboy pabloとのコラボ曲「Terrace」や「Absence」でも残っているが、彼が化けたことはマッドチェスターを思い起こさせる『Atmosphere』を聴いて確信した。今までの彼を知っているだけにこういった引き出しもあることにも驚き、さらにそれをKing Kruleのようなバリトンボイスで歌うのだから文句のつけようもない。他にもThe Verveにありそうなアコースティックな楽曲「Forever You’ll Be Known」からもわかるように彼のU Kからの影響が色濃く感じられるデビュー作である一方、サイトのインタビューで言っていた「このアルバムにコンセプトは存在していない。」という言葉からは一つの世界観での表現ではなく、様々な影響を受けた自由な才能に対する自信も感じられた。そして実際にベッドルームポップから、マッドチェスター、バラード、U K〜USインディーを自由に取り込むShelter Boyの実力は『Failure Familiar』を持って証明された。(松広)


Drug Store Romeos – The world within our bedrooms

ロンドンから少し離れたフリート出身の3人組ベッドルームポップバンド、Drug Store Romeos。デビューシングルからインディーファンの間で話題だった彼女たちがついにデビューアルバムをドロップ。今のイギリスはポストパンクだと騒がれているが(実際、純粋なポストパンクバンドは少ないように感じる)、彼女たちはそれらを全く感じさせないポップなサウンド。しかしながらこれでいいのだ。これじゃないとダメなのだ。90年代にリリースされていたら今頃カルト的な人気を博していただろうとまで言われたこのアルバムからは、サイトでインタビューした際にも彼女たちも影響を受けたと言っていたが90年代のオルタナサウンドのエッセンスが感じられ、その耽美なサウンドはかつてのインディーファンにもどストライクなはず。スロウコアなベッドルームポップサウンドに、Sarah(Vo.)の天使のような声が一筋の光をもたらす。「ああ、なんて美しいんだ」とアルバムを聴くたびにその魅力に取り憑かれる。美しいという言葉を音楽という形で表現するなら、きっとこのアルバムに違いない。(藤田)


Squid – Bright Green Field

ロンドンから南に下った都市、ブライトン発の5人組。名門Warp移籍の衝撃から1年、待望のデビューアルバムは「進化」と「深化」を感じる大作となった。ドローンミュージック、クラウトロック、フリージャズ、アンビエント… 多様な要素がそれぞれに存在感を放ちながら、絶妙なバランスを取って融合された。作品全体から滲み出る音楽愛と知性。アルバム特典で付いてきたブックレットには「Neural Mind Reading」と題された文章が。どうやら脳の神経から我々の思考を解析する分野のことらしい。今回のアルバムアートワークはこれらの解析から得られたイメージが使われているとのこと。音楽性のみならず、バンドのスタンスも未来を志向していることが、アルバムを取り巻く多様なアプローチ、そしてコンセプトから感じられる。ノイズをシャットアウトするために、夏場の暑い部屋で窓や扉を閉め切り、極限空間の中でレコーディングされた本作。納得がいくまで突き詰めた果てに完成した作品には、彼らの音楽への並々ならぬ思いと(それは演奏することや、いちリスナーとして音楽を聴くことなど)、常に未来を見据える熱い眼差しが詰まっている。(梶原)


Lunar Vacation – Inside Every Fig is a Dead Wasp

Katy Kirbyなども所属するアメリカのインディーレーベル、Keeled Scales所属のLunar Vacation。待望のデビューアルバム『Inside Every Fig is a Dead Wasp』をセレクト。自分がAlvvaysなどのギターポップを気に入っていることもあり、今作をピック。久しぶりに、何度も繰り返し聴きたくなるアルバムに出会うことができた。前述したAlvvaysが海ならば、Lunar Vacationは森。草むらの上でピクニックでもしながら太陽の光を体いっぱいに浴びながら聴きたいような温かみのある優しいサウンド。もう泣かせないでくれと言いたくなるほど優しい。今の音楽シーンを見ると、UKの復活は非常に嬉しいが、自分の思春期を支えてくれた10年代USインディーの勢いが弱くなってしまったことは心残りであった。しかしもう大丈夫だ。10年代を彩ったUSインディーのDNAを受け継ぐ彼女たちがいる限り、USインディーは生き続ける。そう安心させてくれる。また、彼女たちは年末にWham!の「Last Christmas」のカバーをリリースしてくれた。今年の最後まで楽しませてくれた彼女たちにあっぱれ。(藤田)


black midi – Cavalcade

国内外のあらゆるメディアでベストアルバムに選ばれた本作。「隊列という名の狂気」とも言うべき大傑作となった。1stアルバム「Schlagenheim」が2019年のMercury Prizeにノミネートされるなど、デビュー当時からその才能が大きく認められていただけに、今回は期待とプレッシャーも少なからずあったことだろう。しかしながら、このアルバムはそんな自分の勝手な不安をも吹き飛ばすような圧倒的な完成度であり、「天才とは彼らのような人たちのことなのだろう」と感じた。さすがブリット・スクール出身。年代関係なく様々なジャンルの音楽を聴くことができる環境で育ったZ世代らしく、クラシックからフリージャズ、エクスペリメンタル、ポストロック、ポストパンクなど、レファレンスは数えきれないほど多岐に渡る。誰に似ているかと聞かれても例えることができないほど独特なサウンド。そこから生まれる狂気。とにかくカッコいい。ライブは言うまでもなく圧巻である。実際、自分もまだアルバムを完全には理解できていないし、もはや彼らはの音楽は理解するものではなく、感じるものなのかもしれない。(藤田)


Pardoner – Came Down Different

オルタナのリバイバルが著しかった2020年。今年はあまりその流れを見ることができず、個人的には寂しい気持ちだったが、この作品があった。おそらく多くのオルタナファンが求めていたであろう、「あの頃」のサウンドの全てを彼らはやってくれる。PavementやPolvoに始まるジャングリーで厚みのあるギターから、Dinosaur Jr.ら90sど真ん中な展開には全音楽リスナーが唸らずにはいられないはず。突き抜けたメロディーと溢れ出すDIYなエネルギーが笑っちゃうくらい気持ち良い。「高校生の時にこんな音楽に出会えていたら良かったのになぁ」とか考えるとなんだかしんみりもするけど、青春とノスタルジーを纏った音楽はいつまでも色褪せずにこの先も鳴るはず。「安定感のあるルースさ」という矛盾っぽいこの表現が、彼らのスタイルを一番良く表していると思う。ガレージ・パンクが大好きで、それでもストロークスやParquet Courtsには飽きてしまったあなた。このバンドこそ、あなたの次なるフェイバリット間違いなし。いつだってロックは最高だと実感させてくれる、そんな一枚。初心に帰れるレコード、人生に一枚は必要。(梶原)


Iceage – Seek Shelter

“Seek Shelter” – シェルターを探し求めて。アルバムタイトルからも分かるようにこれまでハードコアを鳴らしてきたデンマークのバンドはシェルター、居場所、救いがテーマとなる新たな境地に踏み込んだ作品をリリースした。ブルースや聖歌隊によるバックコーラスなどが取り入れられた「Shelter Song」、ピアノを中心に進む「Love Kills Slowly」、ダンサブルな「Vendetta」など今までのIceageとは異なる要素が鳴り響く。こうした変化は歌詞にも現れ、どこか導きや打ちのめされた状況の中で救いを求める言葉が多く使用されている。それはコンセプトを持つよりも感情をそれにあった音で表現してきたバンドだからこそでもあるのだろう。技術的な成長と変化はもちろんあるものの、世界で起こる多くの不合理な出来事に対する無力感を感じ、救いを求め、自分の居場所を探しているありのままの彼らの状態が投影さている。もしこれが今までのハードコアを鳴らすアルバムであったとしたら、現実味のないカッコつけたバンドで終わってしまったのかもしれない。しかしIceageの感覚を素直にぶつけたことでコロナ禍の世界にこれほどリアルに届いたのだと感じさせられるアルバムとなった。(松広)


SPIRIT OF THE BEEHIVE – ENTERTAINMENT, DEATH

かつてBig Thiefが在籍し、昨年は注目の新人Disqがデビューアルバムをリリースするなど、今USで最も注目を集めるレーベルの一つSaddle Creek。そこに所属する男女3人組エクスペリメンタル・バンド。正直な話、この作品がリリースされた時はスルーしてしまっていた。というのも、あまりに難解複雑すぎて自分の理解が全く追いつけなかったのだ。ところが、先日彼らがリリースした新曲「THE DOOR IS OPEN」のあまりの良さに、再びこのアルバムを聴いてみると自分でも驚くほどしっくりきた。ミッシング・ピースがバチッとハマった、そんな感覚。恐ろしく前衛的なので、初めて聴いた人は拒絶してしまうこともあるだろう。だけどそこをグッとこらえて欲しい(笑)。エモ、グランジ、サイケ、そしてありとあらゆるエレクトロニック・ミュージックを全部ごちゃ混ぜにした、一見化け物みたいな作品だが、聴けば聴くほどそれらが緻密な計算のもとに配合されていることに気づく。心地悪さと中毒性が拮抗するギリギリのラインを攻め、ある意味でドラッグのような一枚。black midiやPet Shimmersらイギリスのバンドは一味違う実験性も面白く、時代を先取りする姿勢に永遠に痺れまくる刺激的な作品。(梶原)


PACKS – Take The Cake

USの気鋭レーベルFire Talk所属のPACKSによるデビューアルバム、『Take The Cake』。近年のUSのインディーシーンはUKと比較すると少々勢いが弱い気もするが、Fire Talkはそんな中でも毎年良質なアーティストと契約し、素晴らしい作品をリリース。サイトでインタビューした際に感じた、彼らのDIY精神と音楽への大きな愛はもっと多くの人に知ってもらうべきだし、自分たちも微力ながら彼らの活動をサポートしたい。そんな思いもあって選んだこのアルバムは、実際にはそのような思いなしにしても素晴らしすぎる出来だし、わずか23分という短さながら、聴き終わった時には圧倒的な満足感がある。PACKSは曲もMVもどこを切り取っても絵になるし、のどかなメロディを聴きながら昔に住んでいた家や故郷に想いを馳せたり、常に自分の味方でいてくれる、辛いことがあっても優しく包んでくれたりするようなまさに「人生」という一つの物語のようなアルバム。また、リリース後にIceageの「Drink Rain」のアコースティックバージョンをシングルでリリースしており、痒いとこに手が届いたような、まさにそれをして欲しかったということを彼女は全部してくれる。最高じゃないか。(藤田)


Stello – Carousel

NYを拠点に活動し、ジャズ×ロックを鳴らすインディーロックバンドStelloがリリースしたデビューアルバムCarousel。夜の街やそれが作り出す静けさや生活音への溶け込みが自然と感じられるこのアルバム。サウンドチェックではN Yの夜の街に出て確かめているのだから夜中に聴きたくなるのも納得である一方、Stelloの曲はその心地よさ以上にドラマチックでもある。このサイトで彼らにインタビューした時彼らはポップミュージックは小さなドラマ(10代の別れ、パーティー、車での移動)を生死をかけた壮大な叙事詩に投影することに長けていると語ったが、まさにこうしたことを表現するためにジャズだけではなくロックの要素が必要なのではないかと感じた。モダン期に入ったジャズは演奏に重点を置き難解なサウンドで空間を作り出すのことが長けているのに対し、感情的でドラマを語ることができるロックがこのバンドに存在するからこそアルバムの最後を飾る「I Can Hear You Calling」が作られ、ポップミュージックの核心をついたドラマチックなジャズロック『Carousel』が生まれたのではないだろうか。(松広)


Dry Cleaning – New Long Leg

ロンドンの男女4人組による待望のデビューアルバム。音楽サイト、レコードショップ各所で軒並み年間ベストを獲得したこちら。絵画の講師をしていた経歴のある女性フローレンス・ショーをボーカルに、演奏は男性3人で行う異色の構成。現行の若手バンドとは一線を画す芸術性と、不思議な中毒性がアルバム全体に纏わりつく。淡々と羅列される言葉は冷たく毒々しさを感じる一方で、演奏の方は情があり、その温度差が美しい。意味を成さない歌詞もどこか皮肉めいていて、斜め上から社会を俯瞰するような、そんなスタンスがまた面白い。ポスト・パンクではなくアート・パンクと括られることが多いのはおそらく上に述べたような芸術性や彼らの独特の感性、美学がバンドサウンドとして見事に体現されているからなのではないだろうか。目まぐるしく変化するロンドンの音楽シーンの中でも異彩を放つのは、類を見ない圧倒的なセンスと、決してブレることがないバンドの軸が強固な形で表れているからだろう。この先の進化にますます期待が高まる圧巻のデビュー作、ここに。(梶原)


Wolf Alice

Blue Weekend

ついに辿り着いた「新境地」。これまでにない貫禄を身につけて返ってきた彼らの最高傑作。(梶原)

Geese

Projector

ここ最近のインディーシーンで何度も出てくる名前、Dan Carey が関わったと聴いて納得のギターリフに洒落気づいた雰囲気も感じるロック作品。(松広)

Easy Life

Life’s A Beach

レスター出身かつレスターの大ファンである彼ら。デビューシングル以来FIFAのサントラにも使用され、彼らの人気は絶対的なものとなった。(藤田)

折坂悠太

心理

前作と比べサウンドのスケールと深みがさらに増した印象。彼の言葉が伝える物語を読み解こうと悩む時間は本当に楽しかった。(松広)

Holiday Ghosts

North Street Air

結局こういうガレージロックは最高なんだなと改めて理解させてくれた最高のアルバム。Sports Teamもお気に入り。(藤田)

Amyl and The Sniffers

Comfort To Me

古典的なパンクロックだが、今の時代には新鮮だしやっぱりカッコいい。普段のボーカルは本当にパンクやってんのかっていうぐらい乙女な感じがしてそのギャップにも萌える。(藤田)


Inner Wave

Apoptosis

おしゃれすぎ!西海岸の日差しをたっぷりと浴びた極上トロピカルサイケ。少しチャラいのもこれまた良い。(梶原)

BADBADNOTGOOD

Talk Memory

Floating Pointsも参加した本作。ジャズという枠を超え、バンドとしての確かな才能と技術を大いに見せつけた一枚。ライブが見たい。(梶原)

Kiwi Jr.

Cooler Returns

人のタイプによってはドストライクなアルバムになるであろう作品。特に泣き虫ロック好きには。(松広)


Snapped Ankles

Forest of Your Problems

森から生まれたという彼らのアルバムは、理解不能だし不気味だけどとにかくカッコよく繰り返し聴いてしまう。(藤田)

betcover!!

時間

ほぼ全てが一発録りされた今作は本人が語る「引っかかる音楽」において格段のインパクト残ったのではないだろうか。(松広)

Viagra Boys

Welfare Jazz

スウェーデンの不良オヤジたちによる不良パンク。「俺は優しくない!」って、歌詞ストレートすぎる。最高。(梶原)


Arlo Parks

Collapsed In Sunbeams

Mercury Prizeも獲得した傑作。とにかくメロディが良いし、ビジュアル含めArlo Parksという一つのジャンル / ブランドが確立したように思う。素晴らしいデビュー作。(梶原)

LICE

WASTELAND:  What Ails Our People Is Clear

まさに新しい時代が来たなと感じる一枚。暗いし異常なほどに暴力的で、かつ前衛的。人間の理解の一つ先をいく姿勢に痺れまくり。(梶原)

Clairo

Sling

世界的人気を誇るClairoの2ndアルバム。”Amoeba”は何度聴いたことか…(藤田)


DYGL

A Daze In A Haze

日本が世界に誇るバンド、DYGLの3rdアルバム。これまでとは違い、ポップパンクなど新たな要素も交えた今作だが、相変わらずのセンスの良さが爆発しており、全日本人が聴かなければいけない作品。(藤田)

Japanese Breakfast

Jubilee

「感じるために戦うことについてのレコード」と称した今作は力強く立ち向かう迫力が感じられる。(松広)

Pino Palladino and Blake Mills

Notes With Attachments

グラミーノミネートも当然に思う素晴らしい出来。「生」の空気感と二人のカッコ良すぎる掛け合いにずっと興奮。(梶原)


Alice Phoebe Lou

Child’s Play

フレンチポップやチェンバーポップの匂いをまとったスタイリッシュな作品。ヴィンテージ機材を用いたことで温かみが増し、彼女の柔らかな空気は倍増。ステイホームのお供。(梶原)

Yogee New Waves

WINDORGAN

島三部作を経ての新章第1弾作品。彼ら流のディスコやヨギー的ボサノヴァもあり、かつてシティポップと括られたサウンドから一皮向けて新鮮さが素晴らしい。(梶原)

The Weather Station

Ignorance

あらゆるメディアにおいてもベストアルバムに選出されている今作。夕暮れにこのアルバムがあればもう十分だ。(藤田)


Kings of Leon

When You See Youself

サザンロックを基調とするベテランによるおよそ5年ぶりのアルバムは、期待の若手に溢れかえった今年の中で抜群の安定感を示す。(松広)

Aaron Frazer

Introducing…

ヴィンテージソウルシーン注目のSSW、待望のデビュー作。良い!ファルセットボイスに終始うっとり。カラーのアナログ盤は既にプレ値が付く人気に。買っておくべきだった泣(梶原)

BROTHER SUN SISTER MOON

Holden

大阪にて結成されたインディペンデントポップバンド、BROTHER SUN SISTER MOON。今作はゆるし、救済、希望その全てから生まれたデビューアルバムである。(松広)

インタビューはこちら。


Courtney Barnett

Things Take Time, Take Time

彼女はやはり天才だ。通算3枚目となる訳だが、進化し続けていることが分かる素晴らしいアルバム。(藤田)

Current Joys

Voyager

およそ3年ぶりにリリースした今作ではローファイな色は薄くなり、壮大な仕上がりとなった。(松広)

Faye Webster

I Know I’m Funny haha

前作が最高すぎたのでかなり期待値高めだったが今回も素晴らしい。間違いなく次のシーンを担う逸材。というかもう既に担っているな。(梶原)


Hovvdy

True Love

インディーフォークの頂点を極める秀作。疲れた時はこの一枚で決まり。本当はベスト10に入れたかった…(梶原)

大和南那

夜明け前 (Before Sunrise)

Big Loveの看板娘によるデビューアルバム。Big Loveで働いているからこそ作れる素晴らしい作品。夜明け前の原宿をこのアルバムを聴きながら徘徊したい。(藤田)

D.A.N.

NO MOON

全てが新しく、聴くたびに興奮を覚える。日本にこんなアーティストがいたんだと思うだけで嬉しいし、ますます国の垣根を超えて音楽が繋がっていくのではと期待できる一枚。(梶原)


The Goon Sax

Mirror II

どこか冷めていてクールなサウンドを鳴らす3年ぶりのアルバム。Dry Cleaning を手がけたJohn Parishによるプロデュース。(松広)

Horsey

Debonair

King Kruleの兄弟がメンバーの彼ら。兄弟譲りのセンスのよさで今年のイギリスをまた盛り上げてくれた。彼らが所属するUntitled Recordsは本当にカッコいい。(藤田)

ミツメ

VI(シックス)

もう6枚目のアルバム、ということでタイトルも「シックス」。今作でまた一つ次のフェーズに突入したような「新しさ」とミツメ的な洗練された都会な空気が気持ち良い。(梶原)


Crumb

Ice Melt

NYのサイケポップバンド待望の2枚目。プロデュースはJonathan Rado。ここにも出没。タイトル通り、溶けてしまうような気持ち良さ。トリッピーで中毒性抜群。(梶原)

Parquet Courts

Sympathy For Life

ガレージパンクにダンスの要素が付け加えられた傑作。今作で7作目となるベテランでも探究心は失わない。(松広)


今年も一年ORMをチェックしていただきありがとうございました。今年は数多くのアーティストにインタビューができ、大変充実した一年となりました。またサイトリニューアルに伴って、多くの応援の言葉を頂けたことは活動の励みとなりました。2022年以降も良質な音楽、そしてそれを取り巻くカルチャーを発信するメディアとして活発に動いて参りますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。それでは皆さん、HAPPY NEW YEAR!

(ORM一同)