チベット高原に拠点を置くサステナブルブランド〈Norlha〉が子ども向けの『Children’s Collection』をローンチした。

2007年に母と娘のKimとDechen Yeshによってチベットに設立された〈Norlha〉は、地元の遊牧民を雇用して全てハンドメイドでアイテムを作り、伝統技術の継承と地域の経済的自立を支えてきたブランド。国連開発計画からも表彰されており、厳格な評価のもと環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられるアメリカの表彰「Bコーポレーション」の認証も取得している。

本コレクションは、〈Norlha〉のアトリエが拠点を置くリトマ村の子どもたちの遊びや日常からインスピレーションを得ている。自然と共に生き、親たちのそばで糸を紡ぎ織りながら育つ子どもたちの無邪気な笑い声や遊びを、“時を越えた技であり、空に広がる風や星、空のように寛大なもの”と捉えるブランドはその考えをデザインとディテールに落とし込んだ。

ポンチョやスカーフ、チベット伝統のシャツなどが並ぶコレクションは、すべてヤクのうぶ毛「khullu(クル)」を用いたもの。軽くて柔らかく、厳しい寒さの中でもあたたかく過ごせる高い保温性を備えており、子どもたちが自由に走り回れるように動きやすさにも配慮されている。
手編みのフリンジや留め具、タッセルなど、触感を刺激するディテールは、草原を駆け回る子どもたちの姿を思わせる「Children’s Lake Scarf」や、視覚と触覚の両面で“遊び”を感じられる「Children’s Dense Boiled Poncho」を通して表現された。

カラーパレットも遊び心たっぷりで、タンポポのようなイエローや鮮やかなフューシャピンク、グリーンなどを基調にしながらダークブルー、ナチュラルな白やブラウンといった落ち着いた色が組み合わされている。こうした色彩は長い冬に彩りを添え、温かくも生き生きとした印象を生む。

「このコレクションは、子どもたちに贈るだけでなく、子どもたちから見た世界への敬意でもあります」 – Norlha

このように語るブランドは、今後も自然と人が共に暮らすチベットのライフスタイルをベースに、世代を越えて受け継がれる服づくりを続けていくという。

子どもたちの無邪気な遊びと、世代を超えて受け継がれるものづくりの精神。その両方を包んだ『Children’s Collection』はチベットの風土と共に育まれた温もりを、静かに未来へと手渡していくに違いない。


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