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Dries Van Noten出身デザイナーによる新ブランドSander Lakがパリにてデビューコレクションを発表。

Dries Van Noten出身デザイナーによる新ブランド〈Sander Lak〉がパリにてデビューコレクションを発表。
〈Sander Lak〉は“場所”を核に、その土地に宿る空気や色、気配を、ジェンダーを問わない服へと変換するプロジェクト。毎年ひとつの都市をテーマに、その街のムードや質感、日常のリズムを衣服の中に抽出していく。それは、観光名所やポストカード的な景色ではなく、より抽象的で感覚的な“残留物”のようなもの、つまり「肌で感じる土地の記憶」、「時間帯ごとに変化する色彩」、「自分の選択にしみ込むエネルギー」に重きを置く。


服とは、第二の皮膚のように場所をまとうためのメディアだと語るデザイナーは、パリで発表する記念すべきデビューシーズンのテーマにロサンゼルスを選んだ。
「LAの光にはいつも心を奪われるんだ。柔らかくて、乾いていて、でも強い。その光が街全体を静かに包み込んでいる」 – Sander Lak
光に満ち、色褪せ、どこか乾いた風景が広がる街を表現するために、コレクションは日差しに晒されたようなニュアンスカラーが多用されている。また、独自開発による「Novaファブリック」を使ったオーバーコートや、LA製のソフトなデニム&コットン素材が、通年着用可能なリラックスシルエットで展開された。
ブランドの制作プロセスには“創造的な規律”が取り入れられている。デンマークで起こったDogme 95の映画運動を思わせるようなミニマルなルールに則り、ロケーションに完全に基づいたアプローチを実施。撮影やキャスティング、コラボレーションはすべてその土地の人々と行い、ヴィンテージリサーチもロサンゼルス現地で行われている。
「場所のという皮膚の下に入り込みたい。どんな判断も、その場所の特性に導かれているんだ」 – Sander Lak
場所をまとう新ブランド〈Sander Lak〉の旅はまだ始まったばかり。これからどんな場所のエッセンスを抽出するのか期待せずにはいられない。
■ Information
〈Sander Lak〉- 2026SS
Photographer : Dominick Sheldon
Casting : Anita Bitton / The Establishment