NY拠点の気鋭ブランド byDrewCwiekが「夏休み」をテーマにした2025SSコレクションを発表

ニューヨークを拠点に活動するインディペンデント・デザイナーDrew Cwiekによるユニセックス・ブランド〈byDrewCwiek〉が2025年春夏コレクションを発表。
「ノスタルジア」、「遊び心」、「衣服の変形」「ユニフォームの再解釈」といったテーマをもとに、アメリカの田舎での原風景からインスピレーションを得るブランドが今夏にフォーカスしたのは「夏休み」。
ただし、それはリゾートやバカンスの表層的なイメージではない。〈byDrewCwiek〉が描くのは、12歳の頃に家族のミニバンの後部座席で感じたあの旅の記憶や、洋服を脱ぎ捨てて湖に飛び込んだあの瞬間。子どもの頃の感情と、大人になった今の視点が交差するノスタルジックな世界だ。


鮮やかな色彩、個性的なチェック柄、軽やかな生地を用いたアイテムたちは、旅のワクワク感や荷造りの時間、移動中の高揚、目的地に着いたときの開放感、そして旅の終わりの安堵まで旅の一連の流れを洋服で表現。
すべてのアイテムは多機能で組み合わせ自在で、「湖に飛び込む直前、服を岩の上に投げて裸で飛び込むあの瞬間」をイメージしながら、自由と解放の感覚を込めてデザインされた。
「12歳の頃、家族のミニバンの後部座席で窓の外を眺めていた自分を、今の視点で思い出す」- Drew Cwiek
このようにも語るDrew Cwiekの服は、記憶と想像の交差点にある感情を、アイテムを通して再構築しようとしているようにも感じる。
〈byDrewCwiek〉はファッションにとどまらず、スタイリング、印刷物の制作、イメージメイキング、制作マネジメントなど、さまざまな分野で活動するクリエイティブスタジオとしての側面も持ち、内外のコラボレーションにも積極的に取り組む。
そんなブランドならではのインタラクティブ・ポップアップが2025年7月11日から13日の間にニューヨークで開催された。イベントはノスタルジー・想像力・旅の感覚をテーマにした体験型スペースとして展開され、自然に囲まれた演出のなか、木々や開けた空間の静けさを用いて、田舎での原体験をそのまま呼び起こすような空間を作り出した。
来場者はその場で撮影し、プリントアウトして持ち帰れる「ポストカード風の記念写真」を楽しみ、モデルたちは新作を着用しながら、バッジ型のIDタグを付けて登場。まるでキャンプ場、空港、白昼夢のような場所に入るための“入場パス”のように機能した。
服そのものが持つ自由さ・変化・遊び心を空間全体で表現するブランドはこれからさらに加速して成長するだろう。そして、ブランドが大事にするサステナブルな姿勢を持ちながら、ファッションの枠を越えて感情に訴えけるクリエイションと体験を届けるに違いない。