〈LEMAIRE〉がパリマレ地区のヴォージュ広場11番地にある本社スタジオてにて、2025年春夏コレクションを発表。繊細な素材と無骨なピースが調和したルックを中心に、テクスチャー、ディテール、テクニックの豊かな組み合わせを明らかにした、〈LEMAIRE〉らしい深みのあるアイテムを披露した。

特にメンズウェアにおいては控えめでタイムレスなエレガンスが追求され、オフブラックやオフホワイトといったクラシックな色を新しい角度から表現。ダークカラーのアイテムは、クレイ調のホワイトトーンや過ぎ去った夏の太陽で枯れた模様が描かれた、洗いざらしのキリッとした印象のパステルカラーと組み合わされた。また、ソフトなテーラリングはビスコースウールギャバジンや使い込んだような風合いのあるリヨセル、ウルトラファインのトロピカルウールといった軽く滑らかな素材で再解釈され、シルエットに流れるような軽快さを与えた。

武道の統制のとれた動作を想起させる流れるような、ルーズフィットのカッティングはウルトラライトのウォッシュ加工が施されたコットン、そしてパラシュート ∙ パンツやジャケットのアームに角度をつけることで見事に表現。撥水加工が施されたベンタイル ∙ コットンのトレンチコートやジャケットは、大きなポケットとフラップがあしらわれている。

ウィメンズウェアにおいては、鏡のようなサテン、リキッドニット、メタリックなディテールが施されたシャツが、暗闇の中でも輝きを放つ夜を連想させる。この輝きは、アクセサリーのショルダーストラップを飾るブレスレットやビーズからも放たれた。スリットの入ったチュニックや、解くことのできるスカーフがあしらわれたロングシルエットからはときおり肌をのぞき、シルクジャージーとハボタイの繊細な素材の組み合わせや、クレープコットンの流れるようなニットからも透明感を感じさせる。

また、今回のコレクションでは「軽快さ」が至る所で強調され、典型的なワークウェアの要素は削ぎ落とされ、より軽く、柔らかく、風合いのあるリネンコットン、ウルトラソフトポプリン、ウルトラライト素材によって見直された。そのため、マキシチノパンツやノーカラージャケット、ロングシャツによるレイヤリングにルーズで快適な着心地をもたらした。

このワークショップなスタイルは、エプロンからインスパイアされたピースや軽やかなシャツ、PHILIPPE WEISBECKERによるグラフィック∙アートワークが描かれた大きなキャンバスバッグにまで広がり、日用品へのオマージュを表現した。


■ Information

〈LEMAIRE〉 2025SS

PHOTO CREDITS : GRÉGOIRE AVENEL