時代を体現するロンドンのプロデューサーVegynがAirの名作『Moon Safari』をリミックスした、『Blue Moon Safari』がリリースされた。

〈PLZ Make It Ruins〉の主催であり、過去にFrank OceanやTravis Scottとのコラボレーションでも知られるVegynは、2024年に名だたる気鋭アーティストをゲストに迎えて作り上げた『The Road To Hell Is Paved With Good Intentions』をリリースし、ポストカルチャー時代の最先端にいるプロデューサーとして地位を確かなものにした。

彼が今回リミックしたフランスのデュオAirの名作『Moon Safari』は1998年にリリースされ、ドリーミーなシンセサイザー、グルーヴィーなベースラインと豊かなメロディーでフレンチポップを新たに形作ったアンビエント・ポップの伝説的な作品として知られている。こうして一度完成された名作に、新たにVegynらしい実験的なアプローチが加えられた今作は、美しく繊細でありながらも、活力が加わったサウンドスケープに生まれ変わった。

現代を代表するプロデューサーVegynと、90年代後半から2000年代にかけて歴史に刻まれる爪痕を残したAir。時代を定義した2組の交差によって生まれる、新たな音を聴き逃してはいけない。