Interview – Do Nothing
The Fall〜Talking HeadsのDNAを今に受け継ぐノッティンガムの4人組、Do Nothing。そのミステリアスな風貌と過去の2つのEPに込められた意味を掘り下げる。
―身近に学生がたくさんいる事は街の活性化にも繋がるねー
バンド結成の経緯と名前の由来について教えてください。
僕たちは随分と若い頃にお互いと出会って、自分たちの好きな音楽を共有しあったり、一緒に色んなフォームで音楽を演奏したりし始めたね。Do Nothing自体は2018年に始まって、僕の記憶の限りだとバンド名は「禁煙」って書かれた看板みたいな、様々なつまらない公共のメッセージからインスピレーションを受けたような気がするな。
君たちの出身地にあたるノッティンガムはUKでも有数の学生数を誇る都市であると聞きました。街の雰囲気はどんな感じなんでしょうか?
ここの雰囲気は最高だね!ロンドンみたいに常に忙しい感じもしないし、僕たちはこれくらいのサイズ感の中で仕事をするのが好きだね。身近に学生がたくさんいる事は街の活性化にも繋がって良いよね。
最近はあらゆるバンドが「ポストパンク」に分類されがちですが、その分類の中でDo Nothingは一味違った雰囲気が感じられます。バンドにとって一番の音楽的影響源はなんですか?また、バンドとして目指す方向性みたいなものがあれば教えてください。
(バンドを始めた)当初は具体的に「ポストパンク」をやろうとしていた訳ではなかったと思うんだよね。ある意味でそれは僕らが自然の流れで入り込んでいったカテゴリーの一つだと思っている。僕らは以前からSpoonとかDeerhunterのような、ギターミュージックを面白い形でスタジオに持ち込むバンドを好んで聴いていたんだ。僕らもいつかそういったバンドのように実験的に色んなことに挑戦できるフェーズに入れるといいなって思ってるよ。
バンドのスタイルについて一点。ボーカルのクリス・ベイリーさんのセットアップ姿がとても印象的です。いつもこのスタイルで統一しているのには何か理由があるのですか?
アハハ、実を言うと僕らはそこまでスタイルにこだわっているようなバンドではないんだよね。スーツを着るっていうのはある日突然始まったことで、以降ずっと続いていること。今ではステージ上でスーツを着ることに慣れてしまったし、自分が何を着るか考えなくて済むから良いね。でも、ある意味では、仕事用のユニフォームを着るみたいに、正しい心構えができるような気もするね。
―ライブ中心の音楽と内向的な音楽―
過去2作品(「Zero Dollar Bill」と「Glueland」)のコンピレーション「THE EP’S」がリリースとなりました。この2作品のコンセプトや作風の違いについて教えてください。
最初のEPはそのほとんどがライブで演奏していた楽曲で構成されていた。それはつまりライブ中心の音楽であって、僕たちもその(=ライブ)熱を捉えた形でレコーディングするようにしたんだ。2つ目のEPはコロナ禍で書かれたから、自然と内向的なものになったと思うね。状況が通常時に戻ったら、この2つのアプローチを組み合わせて、もっと充実したものを作りたいと思っているよ。
過去のEPやシングル、そして今作のアートワークの制作プロセスについて教えて下さい。
全てのアートワークは僕たちが昔から友達のSteph Dutton(Instagram:steph.dutton)が作ってくれているよ。僕らは大体彼女と一緒に歌詞とか作品のメインテーマを元にアイデア出しをして、彼女が思い浮かんだものがどんなものか見るよ。とても楽しい作業だね。
誰か仲の良いバンドやアーティストはいますか?また最近注目しているバンドなどがあれば教えて下さい。
たくさんいるよ!シニード・オ・ブライアン、トーク・ショー、ブラッド・ウィザード、アリス・ロビンズ、バザード・バザード・バザード、フォリー・グループなどなど。特にフェスなんかに出演すると度々同じ人に会うんだけど、みんなとても良い人ばかりだね。
―一番の希望はライブハウスが生き残ってくれることー
「ポストコロナ」のUKの音楽シーンはどのようなものになると思いますか?(何か予想や目標はありますか?)
僕の一番の希望はライブハウス(特にインデペンデントで経営しているところ)が生き残ってくれることだね。なぜなら、彼らは多くのアンダーグラウンドの音楽シーンにおいて大切な存在であるし、たくさんのクリエイティブな人が集まって楽しむ場でもあるからね。
最後に、日本の読者へ向けてメッセージをお願いします!
やあ!僕たちの音楽を聴いてくれてありがとう。いつかそっちに出向いて会えることを願っているよ。たくさんの愛を!
■ Release Information
Do Nothing – THE EP’S
Release:9/22/2021
Label:EXACT TRUTH、Tugboat Records
■ Biography
Do Nothing
イングランド中心部に位置する都市、ノッティンガム発の4人組ポストパンクバンド。新人の登竜門とも言えるBBC Radio 1の人気番組「Radio 1’s Indie Show」でフィーチャーされ、Green Man Festivalを始めとしたイギリス国内の数多くのフェスに出演。The FallやTalking Headsといったトラディショナルばダウナーポストパンクを継承したマニッシュなサウンドが多くの音楽ファンを魅了。9月、過去にリリースし人気となっている2つのEP(「Zero Dollar Bill」「Glueland」)をコンパイルした「THE EP’S」をリリース。今イギリスで最も勢いに乗るバンドの一つ。