| Interview
Muck Spreader

Muck Spreaderとは…
今最もエキサイティングなスポットにして今世紀最大の音楽の震源地、サウス・ロンドンから登場したコレクティブMuck Spreaderとは一体?時代を先取りした「最先端」の音楽を生み出す最注目のグループに独占インタビュー。
– Muck Spreaderとは「学校」であり「教会」でありそして「シーン」でもある –
– 日本ではまだNEWな存在だと思うので、簡単に自己紹介をお願いします。
Muck Spreaderです。スピリチュアルで超次元なことが好きな、マルチスキルアーティストによるコレクティブです。
– SorryやFat White Family、PVAなど、ロンドンの音楽シーンで活躍するアーティストとのつながりが多いと聞いています。このようなユニークなシーンを彼らと共有できることは、どのようなことだと感じていますか。
たくさんのバンドと一緒に演奏したり、ステージを共有できるのは素晴らしいことだと思ってるよ。ただ「シーン」という観点で言うならば、ここであげられている「シーン」では、僕らはよそ者だと思ってるね。僕らは僕らで独自のレーンを走っている。Muck Spreaderは(それ単独で)独自の「学校」であり「教会」であって、また「シーン」でもあるね。
– 今年、デビューEP『Abysmal』をリリースしましたね。ここからは作品について聞きます。始めに、今作のコンセプトについて教えてください。
これは僕らの「自家製レモネードへの愛」がベースになっているよ。徹底した即興性によって生まれるカオスを探求する僕たちの哲学をもとに、ワンテイクでレコーディングした。ミスでさえも、それは作品の中で大きな役割を果たしていると思うね。
– 音楽制作のプロセスはどうでしたか。難しかった、楽しかった、、、など。
降霊術のように、僕たちは音で一体化する。個人的には何か大きな力の働きをしているように感じ、自分はメッセージを伝達されるための媒体でしかない。普段はふざけているようにも見えるけど私たちだけど、スタジオにいるときはすごく真剣で、個々や集団の可能性を最大限に発揮できるように、お互いを刺激し合っているね。
– 曲からは強烈でスリリングな雰囲気が感じられました。どのようなことに影響を受けて、このようなアプローチをとるようになったのかが気になります。
各々の人生や互い(メンバー同士)の人生かな。それと猛烈な共感意識と現代社会における(自信の)脆さもあるかな。無力である一方、従うことを拒む態度。僕たちの影響源として「音楽」はあまり無いね。僕たちは互いの「経験」にインスピレーションを受けて、それを「音」で伝えようとしている感じ。
– EPのアートワークが謎めいていて興味深かったです。それぞれの窓には奇妙なオブジェクトが配置されていましたが、あれは何なのでしょうか。
僕らのマッカー(メンバー)のCallum Chambersがデザインしたんだ。柑橘フルーツへの愛を追求したものだ。
(自分たちのことを「メンバー」ではなく「マッカー(Mucker)と呼んでいる」)
– 音楽もファッションもどちらも表現の一種 –
– 最近のUKでは音楽とファッションがコラボレーションするようなトレンドがあるように感じます。先日はLegssのフロントマンであるNed Greenがセリーヌでモデルをしていましたね。Muck SpreaderもLukeがヴィヴィアン・ウェストウッドのSS21キャンペーンに登場していて、とても驚きました。あのタイアップはどういった経緯で決まったのですか。
僕らも驚いたね。(タイアップが決まった理由は)おそらく僕たちのアートに対する理想やアプローチがブランド側のものと一致したからかな。自身の習慣や創作活動を、道徳的、倫理的に正しいことを追求し、個性を尊重、そして祝福するために使う姿勢ね。

– Lukeのヴィヴィアンとのコラボにしかり、音楽とファッションの間に何か強いコネクションを感じたりはしますか。
音楽もファッションもどちらも「表現の一種」という点で大きく繋がっていると思うね。それぞれを適切な形で追求していったら、互いの存在を無視することはできないものだと思うな。
– 僕らが持っているのは「今」だけ –
– 現在は〈Brace Yourself Records〉のメンバーですね。レーベル内の他のアーティストと交流はありますか。また、彼らの一員として所属するのはどんな感じですか。
レーベルのアーティストとは友達だしたくさんのツアーを共にしたね。実は僕たちは今はもうBrace Yourselfには所属していないんだ。だけど彼らが僕たちのためにしてくれたことや、初めてのレコードをリリースしてくれたことには本当に感謝しているよ。
だからと言っちゃあれなんだけど、もしこのインタビューを読んでくれている日本の方で僕たちの音楽をリリースしたい、もしくはコラボしたい人がいたら連絡してね。
– 日本に対して持っている印象などあればぜひ教えてください。
僕にとって日本は常に神秘的で興味をそそる存在だね。日本文化の吸収を通して、強い好奇心とインスピレーションを得ることができたね。具体的には小津安二郎やボアダムスなどの芸術家、アーティストたちから影響を受けたかな。
特に(日本の)クリエイティビティに対するリスペクトと認識の度合いに強く心惹かれるね。ここイギリスだとまた環境が少し違って、クリエイティビティはさほど重要視されてないからね。
– 最後に、日本の読者に向けてメッセージをお願いします。
冒険せよ。この瞬間を。
吸い込めよ。この瞬間を。
楽しめ。僕らが持っているのは「今」だけだから。
■RELEASE INFORMATION
ARTIST:Muck Spreader
TITLE:『Abysmal』
RELEASE DATE:2021. 7. 9
LABEL:Brace Yourself
STREAM:https://ffm.to/muckspreader-abysmal

■BIOGRAPHY
Muck Spreader
ボーカリストLuke Brennanを中心に活動する音楽コレクティブ。サウス・ロンドンのヴェニューWindmillで多くのライブをこなし、過去にはFat White FamilyやWolf Alice、Sorryなどの現行UKシーンの重要アーティストらと共演。フリージャズ、マスロック、エクスペリメンタルを飲み込んだ独特のグルーヴが持ち味。フリーフォームの緊張感から繰り出される不気味な空気と、中毒性の高い粘り気のあるサウンドスケープが注目を集める。2021年、待望のデビューEP『Abysmal』をBrace Yourself Recordsからリリース。
