東京とマドリッドを拠点とする、ミリアム・サンズと大木陽平によるブランド〈SHOOP〉。コレクションは常に、ユニークなアイデンティティに基づき、2人のデザイナーの身近にあるカルチャー、音楽、ランドスケープに加え、自身の日常生活やライフステージをインスピレーションとした、新たなコンセプトの探求心と結びついている。それは、好奇心が誘うジャンルの横断、異国の文化への敬愛と考察、独自の再解釈が無二のミキシングと再構築を生み出すことを示している。

過去にはイタリア版『VOGUE』で、その年の最も才能ある有望なファッションデザイナーの一人として紹介されたほか、Drakeの舞台衣装を制作や2021年にAsicsとのスペシャルプロジェクトで、カスタムシューズとカプセルコレクションを London Fashion Week の世界初のデジタル版で発表するなど、クロスオーバーな活動を見せている。
22SS コレクションでは、日本を代表する写真家、篠山紀信とのカプセルコレクションを London Fashion Week で発表。2023 年より活動拠点を東京に移し、Rakuten Fashion Week Tokyo 24SS で、ふたたび東京でランウェイショーを開催した。

今回のコレクションはマドリッドで増幅した、2人のデザイナーの認識と心象にひろがる“ 東京 ” のイメージが、SS24 のデザインと呼応するストーリーである。マドリッドから東京に拠点を移した 〈SHOOP〉にとって、もっとも直截的にアイデンティティに向き合ったコレクションとも言い換えることができ、国立競技場のスロープを用いたロングランウェイに、〈SHOOP 〉の現在形のビジョンを体現するモデルたちの存在は欠かせなかった。
デザインは常に、デザイナーの眼を介した風景と身近なリアリティ、あるいはユニークな文化の考察に関連づいてきた。大木葉平とミリアン・サンスにとっての東京の街は、グレー、ブラック、そして白と緑のカラーパレットで彩られ、都市、人々、服装から抽出されたのは、最小限に抑制されるシンプル、ユーティリティとテック、あるいはクリーンといった要素である。


ユニセックスなコレクションの随所には “ 空洞 ” が取り入れられている。テーラード、テックマテリアル、デニム、ニットなど、これまでの 〈SHOOP 〉のコレクションを構成したラインナップは、“ 東京 ” のテーマのもと、純粋化のプロセスを経て削ぎ落とされることで SS24 のムードを形作っていった。足元にもまた、空洞のあるレザーとデニムの 2 色展開のミュールがある。


坂本龍一氏の『undercooled』にトリビュートしたポエムグラフィックは、ChatGPT が同曲をインスピレーションにして生成されたものがモチーフに。ひび割れた “Dreamer” は、儚い夢を見るものの意味に、儚い夢にならない様にという二重のステイトメントがのせられた。さらに、2023 年 1月にふたりのデザイナーのもとに生まれた愛娘は、ベビーウェアのディテールを 24SS コレクションにもたらした。


■ Information

〈SHOOP〉24SS Collection

Show Director: Shinji Torigoe (CNG)
Styling: Daichi Hatsuzawa
Hair: Mikio Aizawa
MUA: Kanako Yoshida
Music: DJ DISK
Creative Editor: Tatsuya Yamaguchi
PR: Keitaro Nagasaka (Sakas PR)
Production: CNG
Special Thanks to: NIKE Japan, Foot The Coacher, All Show staff, Gabbi Carter & Mika