玉田達也が手がけるブランド〈Tamme〉が、2027SSコレクション 『Unforced Elegance』を発表した。

昨シーズン、警察官であったデザイナーの父の制服を出発点とし、与えられた規律を自らの意志で引き受け直すプロセスを描いた〈Tamme〉。今シーズンはその延長線上において、引き受けたものを自ら「選ぶ」という行為そのものにスポットを当てている。

トレンドやアルゴリズム、流通といった先回りする力が働く「選択」という行為について、玉田は「同じものを選んだ人たちの間にも残る、かすかな違いにこそ、その人が現れる」と述べた。そして、アイテムを手に入れるという一度きりの瞬間ではなく、着る・選ぶという日々の反復と循環の中で自然と立ち上がる「強制されない品」を表現した。

装いの起点となったのは、着用者の手つき次第で変化する一枚のスカーフ。礼装の絹であり実用布でもあるこの汎用性の高いアイテムが、選ぶという行為の最もシンプルな姿として配されている。

デザイン面では、記号の除去を通じた「既存の更新」を実践。本来ワッペンが縫い付けられる位置にはその輪郭のみが穴(ポケット)として残され、今季はバッジそのものが不在となっている。堅牢だった衣服は柔らかく軽やかに書き換えられ、コートはスカートとジャケットへ分解、テーラードは袖を落とし、ブランドが得意とするレイヤードやドッキングの手法はこれまで以上に研ぎ澄まされた。

カラーパレットには、ブラック、グレー、ネイビーといった制服に由来する公的なトーンを基層に、インディゴデニム、杢グレーのスウェット、ブラウンチェック、サックスブルー、淡いアイボリーをミックス。側章を思わせるストライプやオンブレチェックなど、規則的な線と気ままな色が1着の中で往来する。

重ねられた服から下層が覗く構造は、時間が形づくる痕跡「パリンプセスト(書き直された羊皮紙)」を思わせる。選択と着用がもたらす避けがたい変化や痕跡こそが、その人を形づくっていく——規律や様式を受け継ぎながらも自ら選び、時間をかけて自分のものにしていく装いの楽しさを提案するコレクションとなっている。


■ COLLECTION

Tamme 2027SS – 『Unforced Elegance』

Design : Tatsuya Tamada
Photography, Movie : Genki Nishikawa at mild inc.
Styling : Taku Kato
Hair : Yu Nagatomo at Home Agency
Make-Up : Yuki Suzuki
Casting Direction : Kosuke Kuroyanagi at VOLO Models : BO, GASPARD
PR : Keitaro Nagasaka at Sakas PR
Creative Edit : Tatsuya Yamaguchi
Special Thanks : both Paris