| Interview
NewDad
アイルランド出身、20年代最重要オルタナバンド、NewDadへ日本初独占インタビュー。先日リリースされたデビューEPや日本の印象、音楽的影響に迫る。
ー私たちは皆、90年代に活躍した多くのアーティストの大ファンなんだー
– まずはバンドがどのようにスタートしたのか教えてください。
Áindle: 僕たちは学校で出会ったんだ。Julie、Fiachra、Áindleの3人は音楽の最終試験のために何かをする必要があったんだけど、別々に何かをするよりもバンドとして何かをする方が簡単だと思ったんだ。Seanは、大学で音楽制作を学んでいて、僕たちのデモを手伝ってくれたりしたんだ。何度かメンバーが入れ替わった後、彼はバンドの一員として定着したんだ。
– あなたたちの曲からは90’sオルタナシーンの影響が感じられるけど、楽曲制作において影響を受けているアーティストはいますか?
Julie: その通りだよ!私たちは皆、90年代に活躍した多くのアーティストの大ファンなんだ!Chapterhouse、Lush、Slowdiveなど、私たちのサウンドに大きな影響を与えたクールなグランジ系シューゲイザーバンドがたくさんその時代にはいたんだ。Mazzy starにも大きな影響を受けているね。”Among My Swan “と “So Tonight That I Might See “の2枚は私のお気に入りのアルバムで、Hope Sandovalのヴォーカル・メロディーや歌詞の書き方にも多くのインスピレーションを受けたね!
– デビューEP『Waves』のコンセプトとその制作背景を教えてください。
Julie: 正直なところ、このEPを作る上でコンセプトはあまりなかったんだ。でも、” Waves” に収録されている曲はすべて同時期に制作していたから、うまく混ざり合っているんだ!「海」というテーマがあるかもしれないと思ったけど、それをイメージしながら曲を作ったわけではないね(笑)。 私たちは海辺の町で育ったから、自分たちの周りにあるものについて書く傾向があるのかもしれないね!
このEPのレコーディングには3日間しか時間がなかったから、とても集中しなければならなかったけど、同時にとても楽しい時間だったよ!Chris Ryanと働けたのは素晴らしかったね。彼は私たちと過去に一緒に制作していて私たちのサウンドを理解していたので、どのようなレコーディングテクニックを私たちと試すべきかを的確に把握していたからね。
ー今のアイルランドの音楽シーンの多彩さと多様性ー
– EPを〈Fair Youth〉というレーベルからリリースしていましたが、そのレーベルについて詳しく教えてください。
Sean: Fair Youthは、僕たちのマネージャーが彼を通して曲をリリースするために立ち上げたものなんだ。僕たちがいつ、どのように曲をリリースしたいかを決めることができ、僕たちが好きなようにすべての創作活動をコントロールすることができるから、とても素晴らしいね。僕たちのマネージャーは、AWAL(girl in redやLauvの所属するレーベル)と協力して私たちのリリースを配信しているんだ。ちなみにFair Youthという名前は、シェイクスピアのソネットに出てくる人物からとっているんだ。
– アイルランドの音楽シーンは今盛り上がりを見せていますが、繋がりのあるバンドなどはいますか?
Sean: アイルランドでは素晴らしい音楽がたくさん生まれているよ。僕たちの出身地であるゴールウェイには、カッコいいパンクバンドの”Turnstiles”やポストプログレバンドの”Nerves”がいるし、その他にもフォークアーティストやDJなどがたくさんいるんだ!ゴールウェイだけではなく、ダブリンのバンド”The Magazine Club”とも親交があるよ。今のアイルランドの音楽シーンで僕が気に入っていることのひとつは、その多彩さと多様性なんだ。何年もの間、成功していたのはポップロックバンドだけだったけど、今ではパンクからヒップホップまであらゆるジャンルが成功しているんだ!
ー日本は間違いなく僕たちが1番行きたい夢の場所だね。ー
– ロックダウン中は何をしていましたか?
Fiachra: 幸運なことに、僕たちは同じバブル(その中で暮らすと安全と思われるエリアのこと)の中にいるので、ロックダウンの間も一緒に作業や練習を続けることができたんだ。僕たちは、ロックダウン中のような音楽や曲を作ることに集中する時間が再び来ることは二度とないと思っていたので、集中してできる限りの練習をしたね。ロックダウンの間に2つのEPを頑張って作ることができたので、時間を有効に使えたと思うよ。
– 今年の予定はありますか?もしあれば可能な範囲で教えてください。
Áindle: 今はまだ世界中が不安定な状態だけど、できるだけ早くギグを再開したいと思っているよ。11月にはアイルランドとイギリスでのツアーを予定しているんだけど、あっという間にチケットがソールドアウトしたのを見て、今後ももっともっとライブをしたいと思うようになったね。また、海外を旅して、僕たちをサポートしてくださっている人たちのために、世界中で演奏したいと思っているよ。日本は間違いなく僕たちが1番行きたい夢の場所だね。今、2枚目のEPを制作中で今年中にリリースしたいと考えているんだ。早くみんなに聴いてもらいたいよ!1stを気に入ってくださった方は、きっとこの作品も気に入っていただけると思うよ!
– 最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
Fiachra: 僕たちの音楽を聴いてくださり、様々なサポートをしてくださった日本の皆様に、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います!僕たちの音楽が多くの遠く離れた国に届いていることが未だに信じられませんし、日本はメンバー全員が将来訪れたいと思っている場所だったので、日本の皆さんから応援のメッセージをいただき始めたときには感激しましたし、その応援は僕たちにとってとても意味のあるものでした!本当にありがとう!
■Release Information
ARTIST:NewDad
TITLE:『Waves』
RELEASE DATE:2021. 3. 26
LABEL:Fair Youth
■ Biography
NewDad
アイルランド出身の4人組オルタナティブロックバンド。90年代に台頭したシューゲイズ〜ドリームポップの系譜を受け継ぎ、現代に鳴らす。淡く溶けるようなドリーミーな世界観と、時折見せる骨太なオルタナロックが見事に交差する。身体性を無に近づけた切ないサウンドに溺れる、今年最大級の新人バンド。