Interview – Ugly

今最も可能性に満ちたUKのコーラス6人組Ugly。長い年月のあいだ試行錯誤を重ね、ついに見つけたグループの居場所となるデビューEP『Twice Around The Sun』。アルバムタイトルにもなった ”太陽二周分” の月日で彼らに起きた変化に迫る。

『Twice Around The Sun(太陽の二周分)』の背景にはEPが一つの作品として身を結ぶための時間の長さという考えがあるんだ

– まず初めに、6人のバンドメンバーはどのように出会ったのでしょうか?

メンバーのほとんどは、ずっと昔にケンブリッジのシックス・フォーム・カレッジで出会ったんだ。その後、僕ら全員が徐々にロンドンに移り住み、そこで今のドラマー、Theoと出会ったんだ。

– バンド名のUglyはシンプルでインパクトがありとても良いですね。Uglyという単語は日常生活では良い意味では使われませんが、音楽やファッション、アートではUgly(醜かったり、汚い)なものが美しく見えたり重要な役割を果たすことが多々あると思います。あなたたちもこういった考えを持っていたりするのでしょうか?

そうだね。間違いなくその考えはあると思う。でも、今の僕らのサウンドにとって、この名前は少し時代遅れだけど、バンドのストーリーの一部だと思いたい。すべてが直線的な軌跡や順調な航海ではなかったし、この名前はそれを示唆しているんだ。また、僕たちの音楽には衝突する要素や動くピースがたくさんあるから、この名前はぴったりだと思う。 サウンドも定期的に変化することで知られているし、全員が異なるインスピレーションやスタイルを持っているしね。

– 2019年前後にUglyの曲を聴いた時、King Kruleみたいだなと思って好きになりました。しかし、さらにバンドのことを好きになったのは2022年の「I’m Happy You’re Here」を聴いてからです。この曲からバンドは大きく変わり、コーラスが強調され、バンドとしての確かな個性が生まれた分岐点だったように思います。バンドが始まってからこの2022年の間でバンドに何が起こったのでしょうか?

この時期はバンドにとって、いろいろと考えさせられた時期だったんだ。自分たちが少し行き詰まっているように感じていたし、物事を変えなければいけないと考えていた。それで、バンドとして一つの曲に全員が参加するようになった。これは明らかな変化だったね。その結果、ヴォーカル・アレンジも変化し、より重要視するようになったんだ。

フォーキーで牧歌的、あるいはオカルト的なイメージ

– デビューEP『Twice Around The Sun』のリリースおめでとうございます。率直にリリースできた今何を思いますか?

ありがとう!実はこのEPはもともと意図したものではなかったんだ。
ただ、この2、3年でシングルをリリースしてきたんだけど、1つの作品にまとめて、居場所を作りたかったんだ。実際に、自分たちにふさわしいと思うプラットフォームができたことは素晴らしいことだと思うし、これで僕たちは次に進み、さらに曲を書くことができる。

– この作品を作る時、何かテーマや意識したことはあったのでしょうか?

正直なところ、最初は意図的なテーマみたいなものはなかったんだ。だけど、制作しているうちに歌詞や音楽的なテーマが常に浮かび上がってくることに気づいたんだ。 フォーキーで、牧歌的、あるいはオカルト的なイメージや、自然物から得るアイデアで遊んでいるような..。こうした感覚を基に、このEPがどのように見えて、感じられるかを考えて、前向きなものにしようとしたんだ。

– 『Twice Around The Sun(太陽の二周分)』というアルバムタイトルはどのような経緯から決まったのでしょうか?

このタイトルはメンバーのHarrisonが考えて、僕らはただ心に残った歌詞やアイデアなどを投げ出すっていう感じだった。『Twice Around The Sun(太陽の二周分)』の背景には、これらの曲が存在できて、EPが一つの作品として身を結ぶための時間の長さという考えがあるんだ。

– なるほど。今作は長尺の曲が多いことに加え、このデビューEPまでに変化を繰り返して、文字通り太陽の二周分と言っても過言ではないほどの時間がかけられていますよね。

そうなんだ。これらの曲は、自分たちが望んでいたものにするために、ものすごくたくさんの修正があったし、完成させることができたのは奇跡のように思えるよ。前述したように、これらの曲はバンド全員で初めて書いたものだから、たくさんの試行錯誤を重ねたんだ。

ー グループ・ヴォーカルの役割 ー

– では次に、古代の壁画にありそうな、ジャケットの複雑なアートワークはどのように生まれたのでしょうか?

アートワークはとても才能のあるキルト作家のCharlie GuyとThomas Lawrenceに頼んで、作ってもらったんだ。実際に自分たちのライブでは壁にこのアートワークをかけているんだ。 キルティングは伝統的なフォーク・アートであり、このEPをうまく結びつけてくれていると思う。

– あなたたちの歌詞はとても詩的で、仏教の言葉“Nam Myoho Renge Kyo”が出てきたりと幅広い知識と表現力、独自の視点があるように思います。歌詞を作る際に大事にしていることやインスピレーションを受けているものはなんなのでしょうか?

実は、メンバー全員が何について書いているのか特定することはできないと思う。ただ一つ言えることは、Jasmineの声はより物語に基づいた歌詞に適しているように思える。一方、グループ・ヴォーカルがリードをとる曲は、音声や音、遊び心で勝負する傾向があって、ストーリーとは対照的に、イメージやフィーリングに重点を置いているんだ。

結成から進化を続け、デビューEPをリリースしたバンドの今後が気になります。

そうだね。現在書いている曲は、あまり盛大になりすぎないミニマルなもので、バンドを最大限に表現できるような、より短く、キレのある曲を書くことに集中しているんだ。たくさんの作業が必要だけど、その方向性にワクワクしているよ。

– 最後に日本の読者へメッセージをお願いします。

​​読んでくれて、そしてサポートしてくれて本当にありがとう!いつか直接みんなに挨拶できることを願っています。
Until then – Lots of love, Ugly xx